それと、担当によって公安の「言葉つき」も変わってくる。「それはありますね」と彼は笑っていた。たとえば、革マルを担当して、革マルの本ばかり読んでると、段々と、考え方が革マル的になる。捜査会議の時も、「まず一に調査。二に調査ですよ」とやたらと几帳面になる。中核担当は、「そんなことより、一発やりましょう。ドカンと連中を潰すんです。一点突破・全面展開ですよ」と言う。中核派の用語まで使っちゃう。  共産党担当だと、「いや、合法的にやりましょう。我々公安も人民の支持を得てやらなくては」と言う。  右翼担当は、段々アホになって、「もうどうでもいいんじゃないの。楽しくやりましょうや、かたいこといわずに。まあ飲みましょう!」となる。