高村薫氏: 新聞小説「新リア王」で日経とトラブル  日本経済新聞に連載中の新聞小説「新リア王」の掲載終了をめぐり、作家の高村薫氏が25日午前、同社を相手に「著作権侵害にあたる」として約束の履行を求める仮処分申請を大阪地裁に申し立てるトラブルがあった。結局、同社が高村氏の主張をほぼ受け入れ、申し立ては同日午後に取り下げられ、31日付の「最終回」でお断りとおわびを掲載することになった。  高村氏は03年3月から同紙朝刊で連載を開始。トラブルの発端は、今年5月に同社から連載終了を要請されたことから始まった。  申立書によると、高村氏は担当編集者に「8月末で終え、作品の続きを月刊誌に掲載する」と伝えた。しかしその後、同社は次の連載小説の都合がつくまで連載を続けるように依頼してきたため、高村氏は10月29日を最終回とし、末尾に「未完」「作品は加筆の上、05年に新潮社から刊行予定」のお断りを載せることを確認し、執筆を続けた。  しかし、同社が承諾なしに最終回を31日とし、10月19日以降29日までの原稿11回分を13回に分割し、お断りなども掲載されそうにないことが判明。高村氏は25日午前、同地裁に約束の履行を求める仮処分を申し立てた。  同連載小説を巡っては、挿絵担当のイラストレーターが週刊誌や写真集の写真を無断複製したとして、同社が今年2月26日から挿絵の掲載を取りやめた経緯がある。【一色昭宏】  ▽日本経済新聞社社長室の話 高村氏との意思疎通に十分でなかった面がありました。高村氏の意向を尊重して、誠意をもって対応します。 毎日新聞 2004年10月26日 0時27分


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