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http://www.asahi-net.or.jp/~kr2m-nti/wound/new.htm
2004.07.26
今回の移動で読んだのが『思想なんかいらない生活』(瀬古浩爾,ちくま新書)。この人の本は以前にも何冊か読んだことがあるが,波長が合うというか,ウマが合うのである。この本も非常に痛快で面白かった。
 内容はというと,難解な哲学書,難解な文芸批評書,難解な思想を披露するのを仕事としている哲学科の教授,研究家の言動をまとめてぶった切っているものだ。その切れ味の鋭さは見事である。
 それにしても,この書で一刀両断されている人たちのほとんどは,同じちくま新書で「ニーチェ入門」とか「カント入門」とか「バタイユ入門」とかを出しているのである。いずれも,有名な先生方である。いわば,筑摩書房の看板となっている先生方である。
 それなのに,よくもまぁ,こんな本の出版をしたなと思う。筑摩書房,懐が深いぞ。
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