松本清張

http://www.remus.dti.ne.jp/~chomo/books/200401.html#2004/01/15
渡された場面/松本清張/新潮文庫
 久しぶりの松本清張作品。四国で起きたある殺人事件を追う刑事が手にした文芸誌に引き込まれる。そこに書かれた情景描写がまさに自分が今追っている事件の現場そっくりだった。と、書いては見たが実はこの作品犯人は最初から分かっている。前半は事件の描写、後半が事件の真相に刑事たちがいかに近づいていくかとはっきり二つに分かれている。正直言うとトリック自体は相対したモノではないと思う。僕の勝手な想像だが文芸誌と殺人現場の部分を最初に思いついてあとは話を作りましたと言う感じがする。ただ、だったらつまらないのかというとそうではない。被害者、刑事さん他登場人物もいいし文芸同人誌を書きながら何とか中央に認められようとする地方の焦りを含めた状況描写もいい。そう長い作品でなく一気に読める清張節を堪能。
Unq
Q
http://d.hatena.ne.jp/kanetaku/20040117
今回の結論。松本清張は今でもとてつもなく面白い。
Unq