大岡昇平『小説家 夏目漱石』(ちくま文庫)

         M25 戸籍を北海道へ移す
      P131 「ユリの美学 漱石のキリスト教」
         教科書的人気
         精神異常
         大岡 青山学院
         M37末 「我輩は猫である
            「倫敦塔」
            「漾虚集」一挙に
      P149 「創造の夜明け」
         「夢十夜
         露 ユリ 豚のイメージ
         ロマンチシズムと社会運動
         
      P158 ≪江藤淳「漱石とアーサー王伝説」批判≫
      
         「薤路行」「アーサー王伝説
         マロリー15C 「アーサー王の死」
         テニスン19C「王の牧歌」
         「シャロットの女」
         
         シャロットの女
         13C初 フランスで誕生「アルチュ王の死」
         イタリア、イギリスで枝分かれ
         比較文学的薀蓄
         嫂登世
         作品の出来が悪いと考えるのが一番妥当なとこを
         逝ける日、逝ける事 問題

      P170 ≪漱石の構想力ー江藤淳「漱石とアーサー王伝説」批判≫
      
         1485 マルロー「アーサー王の死」
         12C ジェフリー・オヴ・モンマス「ブリタニア列王史」
            仏訳「トリスタンとイズー」
            「聖杯物語」
            英国にもどり、マルロー著作となる
2005.08.18    メレディス 同時代
      P194 ナイト ミレット 「性の政治学」(1970)
         メレディス「エゴイスト」の分析
         (ケイト)
      
      P200 ≪「薤路行」の構造≫
      
         ブレフィンチ(米著述家)1859
         「薤路行」で ランスロット ギニヰ゛ア 恋物語 知るぐらい
         12C ジェフリー・オヴ・モンマス「ブリタニア列王史」
         1135 ヘンリー2世に献呈
         ウェールズ地方の坊さん
         リヤ王も登場
         アーサー王6世紀
         大陸遠征 ローマへ
         甥 モドレッド 王妃ギニヰ゛アと通じ反逆、王国のっとる
         軍を返すアーサー王 甥たおす 重症負う
         アヴァワン島へ運ばれる王
         多くの美女にかしずかれ眠っているが、死んではいない
         再起できる
         ヘンリー2世
         コンケラー1066 ウィリアム1世
         フランスノルマンディーから上陸
         多くの民族が英にくる
         
         (1)新石器時代人 ストーンヘンジ ソールズベリーに
         (2)ケルト民族 今はスコットランド、ウェールズ
            もともとブルトン
         (3)ローマに征服される BC1世紀
         (4)ゲルマン系サラセン人、アングル人、デンマーク人が
            独北方から東イングランドへ
         (5)ローマ人撤退
         (6)アングル・サクソン人との戦い
            →アーサー王の時代
            →ウェールズへ押し込められる
         (7)アングル・サクソンの時代
            →1066まで 500年間
            仏語でアングルテール→イングランドへ
            割り勘主義= アングロサクソン
         (8)ウィリアム1世の時代 ノルマン朝
            (フランスノルマンジーから1066年)
         (9)ヘンリー2世 1154-1189 フランス西部をも有する広大な版図
            プランタジネット朝
          
          ① モンマス アーサー王 → ワース
          ② 「ブリュ物語」→仏へ
          ③ 仏「トリスタンとイズー物語」をとりいれ
          ④ 英へ送り返す
          
            モドレッド⇔ランスロット
            ランスロット・・・きし
            ① 王妃ギニヰ゛アめぐりアーサーと対立
            ② 坊さんの発明した人格
            坊さん・・・北フランスシャンパーニュ伯につかえる
             =クレアチン・ド・トロア
          ⑤ トマス・マロリー「アーサー王の死」に集大成
            ・ 王の権力、議会に押される
            ・ 騎士の力より、徒歩の弓隊の力勝る
            ・ 15世紀 イタリア、ルネサンスの時代
            ・ 英国 1400 チョーサー 
              カンタベリー物語はルネサンス影響あり
            ・ マルロー 古臭い騎士道物語
            ・ 英人文主義 シェイクスピアの時代
              16C末
            ・ 英 18-19C ロマンチック時代
              マルロー息吹き返す
               ★ 中世への憧れ
               ★ 恋愛至上主義
               ★ 自然感謝
            ・ アルフレッド・テニスン(1809-92)
              「王の牧歌」
               ★ ゲーテファウスト」ミルトン
                 失楽園に並んでなかった
               ★ 女々しく生ぬるい
            ・ ヴィクトリア朝 リヴァイヴァルの観
         P207 シャロットの女・・・物語詩
            (1830-1832)
            ・ 川の中の島の塔の上
            ・ 機織 ランスロットの姿 鏡の中に
              割れる鏡、切れる機糸
              小船に乗る
            ・ アーサーのいるカメロットに着くころ
              歌いつつ死亡
            ・マルローの「アーサー王の死」に似た部分
         
            小城主の娘
            ・アストラレットのエレーンの挿話
            ・ランスロット一夜の宿借りる
            ・好きになるエレーン
            ・赤い袖つけて試合に出てくれ
            ・盾はエレーンの兄のを借りる
            ・ギニヰ゛ア正妃との宿命的な恋
            ・勝つが、負傷
            ・看病のエレーン
            ・回復するランスロット
            ・しかし、ランスロットはカメロット城へ帰る
            ・悲観して死ぬエレーン
            ・葬送のミサはランスロットにやってもらいたいとの遺書
            ・小船に乗せられた死体、カメロット到着
            ・嫉妬解くギニヰ゛ア
            ・行われるミサ
            
            以上、英に返送と同時にイタリアノヴェルとなる
            
            テニスン「シャルロットの女」改作
            1942 
            エレーンをヴィクトリア朝好みの百合の乙女にチェンジ
            漱石は 「薤路行」にランスロットを登場させる
            ・1900 漱石、ロンドン
            ・1901 ヴィクトリア女王死亡
            ・ヴィクトリアはアーサー王ファン
            ・英繁栄終了、不名誉なボーア戦争
            ・テニスン、「王の牧歌」1895完成
            ・アーサー王伝説題材に画描いたのはロセッティー
             ウィリアム・モリスなら、ラファエル前派のみ
        
          P210 ①夢②鏡③袖④罪⑤船
         
            ①夢
            
            アーサー王は地味な北方へ出かける
            ランスロットは残りカメロット、王妃の部屋へ
            ギニヰ゛アはいったほうがよいと進める
            ギニヰ゛アの見た夢の話(漱石の創作)発明
            ランスロットの首に巻きつく蛇←王妃の冠についている
            蛇、焼ききられる
            不吉の夢
            見送る王妃の冠落ちる
            ランスロットはそれを槍の穂先にかけて王妃に差し出す
            
            ②鏡
            
            ランスロット、シャルロットのそばを通りかかる
            シャルロットはカメロットとアストロットの中間
            割れる鏡、死ぬシャロット
            漱石の場合、川くだりはエレーンの役割 ラストシーン
            
            ③袖
            
            アストロットの城到着
            城主の娘エレーン、一目ぼれ
            袖をつけ試合に出てくれ
            エレーンの兄の装具
            エレーンの兄に化ける
            エレーン、夜中にランスロットの部屋に入り、上記依頼をする
            袖付け試合、
            ランスロットとギニヰ゛アの件
            
      P239 ≪水椿 オフィーリア 〜 『草枕』をめぐって≫
      
         草枕 M39.09
         山の中の温泉やどの娘 那美さん
         離婚暦あり
         それを全く気にかけない現代性
         熊本小天(こあま)の温泉が舞台
         M29-33 熊本五高教師
         
      P264 水と美少女
         私の育った渋谷
         流動性
         透明性
         流れる快感
         エレーン、水槽、古いヨーロッパ慣習
      P269 川くだり
      P271 オフェーリアコンプレックス
      
      P273 ≪トリスタンとイズーの駆け落ち〜三四郎をめぐって≫
      
         美禰子・・・イズー
         宮廷愛の観念
         源氏物語〜自慢していい
         100年ばかり早い
         福岡から出てきた小川三四郎が里見美禰子にほれられたが
         結局他の資産家と結婚してしまう物語
         サフォー レスボス島の女流詩人
         レスビアンの元
      P283 虞美人草ケシの花
      P287 「坑夫」
         後期・・・解決のないエゴイズムの問題を追求
      P294 団子坂の菊人形をみに行く
      
      P314 ≪姦通の記号学 「それから」「門」をめぐって≫
      
      P322 検閲の問題非常に大きい
      P326 トルストイ、クロイツェル・ソナタを聴いたあとは男女相擁するしか
         ない
      
      P369 ≪彼岸までをめぐって≫
      
         敬太郎 ささいな男
         森本 話題豊富だが変な話多い
         探偵
         
      P398 ≪文学と思想 行人をめぐって≫
      
2005.08.19 P421 一郎、二郎、お直

      P424 ≪こころの構造≫
      
         (1)先生と私(2)両親と私(3)先生と遺書
         
      P435 カタストロフィ
      
      P443 ≪「自伝」の効用 「道草」をめぐって≫
      
      P461 ≪「明暗」の結末について≫
         
         津田 痔疾の話からスタート
         読了