その後、一度だけ、ちょっといやな感じのニアミスを経験した。ずいぶん後になってのことだが、化学兵器に詳しい人と取材とは無関係に話す機会があった。話題がオウムに移ったとき、彼は第七サティアンの設備ではサリンは作れないと思うとぼぞっともらした。聞かなければよかったこと聞いちゃったなぁというのが偽らざる本音だった。 サリンが撒かれたのは間違いないが、作られたのは・・・・、もしかしたらぼくたちは全然違う解釈であの事件を理解しようとしているのかも知れない。