山折哲雄『さまよえる日本宗教』

■ 「さまよえる日本宗教」 ○読売書評欄『さまよえる日本宗教』山折哲雄著、中央公論新社、1600E,評者がTVの解説者でもおなじみの橋本五郎氏。こういうパターンで、「書評欄」に掲載されると、たんなる書評の域を超えた「政治性」を、考えざるを得ない。中央公論の読売の買収劇は元より、読売を代表する、編集委員・橋本五郎の登板。国際日本文化研究センター所長の山折哲雄の「網野善彦の批判」であるからだ。読む前から、この「書評」だけで、大概予測は付くというものだ。しかし、できるなら存命中にも充分批判できる時間はあったはずだ、そうして欲しかった。こうした「遣り方」が、最近この国では一般化しつつある。(後は、読んでから)○「網野善彦を継ぐ」赤坂憲雄中沢新一、という志向に対して、「網野史学」に対する本格的な批判がこれだ。「無縁」「公界」「遊女」などの< 中世語>を活用し展開が、「国家」「民族」を否定するためのモノという曲解へと導くモノではないかということだ。その方法論自体が、「もうひとつの日本へ」・・・・赤坂憲雄にみられるようなことであり、それは、方法と目的とを混同させけるだけのものでしかないだろう。(中)