立てこもり事件が起きたら、現場の治安部隊はその周囲を立入禁止にするの が常識的な対応策だろうが、ベスラン事件の担当者たちは、それをやらなかっ た。そのため、学校の近くまで武装した一般市民が入り込む事態となり、9月 3日午後に学校内で偶発的な爆発が起こって現場が混乱したとき、この「武装 市民」たちがいっせいに学校に向かって銃撃を開始して当局側も止められない 状態となり、多数の死者が出る惨事に発展してしまった。(爆発は、犯人の一 人が間違って爆弾の仕掛け線を引っ掛かけて起きたと考えられている)