小熊英二『<民主>と<愛国> 戦後日本のナショナリズムと公共性』(新曜社
全部で966ページもある。いつ終わるやら


2005.03.27 
      序章
      二つの「戦後」
      「戦後民主主義」の「言葉」
      「言説」と「心情」について
      
      
      P12 第一の戦後
         第二の戦後
         1955 前・後
         丸山眞男
         加藤周一
         1956 白書 もはや戦後ではない
         1948 個人所得
            日本 100ドル
            アメリカ 1269ドル
            セイロン 91ドル
         ナショナルアイデンティティーめぐる議論に変化?
         秩序の安定度
         小田実 闇屋だけがいばっていた これからは実力の時代 学歴でない
         「現実を変えられる」がリアルだった時代 (柄谷行人
         ★加藤周一『雑種文化』(講談社文庫1974)
         
      P14 「国家」という言葉の響き
         「愛国」という言葉の響き
         「愛国」と民主(陳腐となった)との関係
         1997 「新しい歴史教科書をつくる会
         佐伯啓思
         会長 西尾幹二
         1999 『国民の歴史』
         共産主義 アメリカ主義 というが 相容れるものがあるのか
         共産党「反米愛国」「市民につよい批判」
         戦後知識人は共産党とは距離置く
      P15 加藤典洋
         1997 『敗戦後論
         南原繁 共産党 1946日本国憲法に反対の立場だった
         
      P16 都築勉(思想史家)
         市民=ブルジョワ(マルクス主義関係者 論調)
         市民=「もううんざり」みたいな存在
         金森由利子小林よしのりの秘書)
         言葉の使用法
         
         
         
         
      P17 竹田青嗣(批評家)
      P18 1945−1970初頭までの戦後思想を対象
         山本昭(社会学者)
         「政治経済の状況変動」
            ↓
         「生活状況・言葉使いの変動」
         
         タイムラグ・発想の転換ができない
         表現困難な心情を無理に表現しようとして「市民」「民族」というような
         言葉が変容してくる
      P19 表現困難な残余の部分を「心情」とよぶ
         集団共有される心情を研究の対象
      P20 「心性」「心情」
         「心性」・・・「数世紀にわたる長期的社会変動」
         「心情」・・・「戦争・高度成長などー短期的な共通経験」
         
         竹内好
         個人の思想→影響→社会集団的心情
         知識人=言葉の使用の専門家
         個々の思想家のライフヒストリー 留意
      P22 新しい言葉の模索
      P831 ★色川大吉『明治精神史』(講談社学術文庫1976)1964
         ジョン・ダワー『敗北を抱きしめて』
         コスモポリタニズム
         領有
         ★ロジェ・チャルチエ『書物の秩序』(ちくま学芸文庫1996)1993
      P23 大塚久雄
         誤解する権利(鶴見俊輔
         吉本隆明
         江藤淳
         言語の自明性 失われる
      P24 ミシェル・フーコー
         ナチスドイツに敗北し占領された経験のフランス
         石田雄(政治思想家)1923生まれ
         1960『忠誠と反逆』
         内容読み替えによる思想形成もある
         戦後沖縄の思想状況
         『日本人の<境界>』
         谷川雁
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・         第1部
         第1章 モラルの焦土
         セクショナリズムと無責任
         軍需工場の実態
         組織生活と統制経済
         知識人たち
         学徒兵の経験
         「戦後」の始まり         
P30 1942.06 ミッドウェー海戦
         情報部と作戦課 
         事務方 情勢判断組、政策起草組 ばらばら
         結論がさきで、判断はあと つじつまあわせ
      P31 1943いっぱいは戦闘拮抗
      P833 ★淵田美津雄・奥宮正武『ミッドウェー』PHP文庫・1999、1951
         1944.07 サイパン陥落
         「戦略の仮面をかぶった面子」のもとで戦闘継続
         1944.10 特攻戦略、海軍
         この戦略は形式上現地の発案となっており、中央の司令はなし
         24機で37隻を沈没させたとの報告
      P833 ★宮本郷三『隼のつばさ』(光人社文庫2001.1968)
         特攻を司令した冨永恭次陸軍中将は台湾へ脱出
         そのことの譴責はなく ただ予備役へ編入のみ
      P833 ★加藤寛一郎零戦の秘術』(講談社文庫1995)・・・坂井三郎のインタビュー
         1945.04 大和 沖縄へ水上特攻
         敷島隊(特攻として初の認定)
遠山茂樹藤原彰『新版 昭和史』(岩波新書1959)
      P36 突撃ラッパ演奏で「突撃精神」30分 逆効果
         文部省「行学一致」スローガン
         食券偽造
         小泉信三慶應義塾大学塾長)
      P38 橘孝三郎農本主義右翼)
      P39 配給ー公認組織
         役得者ピンはね、縁故に頼る闇取引
         「世の中は星に碇に闇に顔 ばか者のみが行列に立つ」
         ★清沢冽『暗黒日記』(岩波文庫1960)
         弁当ストーブ温やめる 盗難防止
         学童疎開 仲間はずれが一番恐い
         柴田道子
         24時間の集団生活
         班長
      P42 竹内好(中国文学者)
         山中恒小国民
      P834 ★山中恒『子供たちの太平洋戦争』(岩波新書1986)
         渡辺清「けちけち百姓、ドン百姓、鬼百姓」行進
         餓死するときは、大臣の玄関か、農家の軒先で
         
      P43 戦争賛美の知識人
         奥野健男(評論家)
         英米に対する戦争ならOKと態度急変(アジアはちょっと)
         河上徹太郎
         青野季吉
         坂口安吾
         徳田秋声
         石川達三
         島木健作
         出隆(東京帝大教授、ギリシャ哲学研究者)
      P834 ★鈴木庫三ほか「国防国家と美術」(『美術』(1944.5))
                    ↑
         こんなところに鈴木庫三の名が、 出ても不思議ではないが・・・
      
         2段階転向(吉本隆明
         表面上と本心と違うことも
         
         永井荷風
         清沢冽
         
         この2者は個人資産大
         
      P46 1933小林多喜二の死体
         三木清 敗戦直前収監 1945.9獄死
         宗像誠也(マルクス主義系教育学者)
         ★宗像誠也『私の教育宣言』(岩波新書1958)
         弾圧の恐怖
         
         本多顕彰(英文学者)
         体制翼賛会外国文学部会
         林達夫(評論家)に戦争協力の仕事の世話を頼む手紙
         
         徴用の恐怖
         林房雄が人選しているという噂
         森山啓
      P48 清水幾太郎(社会学者)・・・ビルマ戦線に徴用
         高見順(作家)
         
         山田耕筰(作曲家)・・・少将待遇を自慢
         
         京都学派の哲学者・・・海軍と関係
         陸軍右翼からにらまれる
         保田與重郎(日本浪漫派)懲罰的徴兵
         高倉テル・・・思想犯 三木清が一宿を提供・・・収監へ
         荒正人 近代文学創刊
         大木惇夫(作詞家)
         
      P50 封印しかし、戦後思想の重要な底流
##学徒兵の経験##
         不合理極まりない生活
         古兵支配の空間
         安田武
      P835 ★日本戦没学生記念会編『きけわだつみのこえ 第2集』(岩波文庫1988)
         小林直樹
         藤岡明義
         渡邉恒雄読売新聞社社長)
      P52 坂井三郎
         丸山眞男・・・助教授、二等兵召集、朝鮮駐屯の歩兵部隊へ
         ★日本戦没学生記念会編『新版 きけわだつみのこえ 』(岩波文庫1988)
         無責任の体系
         抑圧移譲
         
         「大衆性に対する本能的嫌悪」
         
         梅原猛(哲学者)・・・学徒兵時代を回想
         野間宏(作家)1952『真空地帯』安西という学徒・・エゴイスト保身のみ
         多田道太郎(仏文学者)・・・私は安西だったと顔を赤らむ
         ★多田道太郎『複製芸術論』(講談社学術文庫)
         黒澤明監督『野良犬』
         軍隊経験をほとんど書き残さない丸山眞男