切手展

http://d.hatena.ne.jp/genesis/20040528#p1
Q
珍しいものでは、乃木希典の署名入り絵葉書がありました。それがなんと、日露戦争の時の写真が刷り込まれたもの。「旅順陥落後水師営ニ於テ一千九百五年一月五日 乃木、ステッセル両将軍会食後ノ撮影」と活字で説明書きがある横に、「御厚情ヲ謝ス」と書き添えて出されたもの。差し出されたのは、奉天会戦終了後の1905年3月28日。司馬遼太郎『殉死』(ISBN:4167105373)で該当する箇所を探し出してみたら、外国人特派員が写真を懇望したので「われわれがすでに友人となって同列にならんだところを一枚だけゆるそう」(文春文庫版91-92頁)ということで撮影されたものらしい。日本戦史のうえでは貴重な資料が、ヨーロッパの地方都市の薄暗い展示場で見られるとは。先日、同じく司馬の『坂の上の雲』を読み、15,000人以上の戦死者を出した乃木(というより、その参謀・伊地知幸介)の無能ぶりに接していただけに、思いはひとしおでした。
Unq